設立趣旨
「WHO(世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。またアルコールそのものに発癌(がん)性があり、少量の飲酒で赤くなる体質(フラッシング反応)の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています。」(引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット)
酒類(アルコール)は、嗜好品として生活に豊かさと潤いを与えるとともに、酒類に関する伝統や文化など長きに亘り引き継がれ生活にも深く浸透しています。
しかしながら、アルコールとがんのリスクについて、現在日本においては一般的に広く認知されていません。2021年、私たちは発がん、特に咽頭・食道に対するリスクと飲酒について啓発活動を行うワーキンググループを立ち上げました。
※参考資料:食道扁平上皮癌の危険因子と頭頸部・胃を含むfield cancerization(J-STAGEサイトより論文のPDFをダウンロードできます)
活動目標
■飲酒による発がんリスクへの啓発活動
アルコールによる発がんリスクを知り、自分の体質を知った上で、ほどよいお酒との付き合いができる方々を増やしたいと願っています。
がんは早期発見が有効です。特に飲酒を日常的にしている方へは内視鏡をはじめとした定期的な検査を促す活動も同時に行い、早期発見への意識向上を啓発します。
「アルコール関連問題啓発週間を知っていますか?」➤95.3%「知らない」
2014年6月1日に施行された「アルコール健康障害対策基本法」において、国民の間に広くアルコール関連問題に関する関心と理解を深めるため、毎年11月10日から16日までを『アルコール関連問題啓発週間』と定めていますが、当グループがSNS等で独自に行ったアンケートでは実に95.3%の方が「知らない」と答えています。
お酒の飲み方次第で、がんに罹るリスクは確実に上がります。減酒を意識しよう。
がんとお酒の関係を知り、自分の体質を知り、適正飲酒でうまく付き合っていく事を啓発していくための「減酒セミナー」を医療従事者を交え企画していきます。 ※がん検診には、利益と不利益がありますが、正しい方法を正しく行うことにより、がんによる死亡を減少させることができます。 (国立がん研究センター がん情報サイトより抜粋)
毎年11月10日から16日は「アルコール関連問題啓発週間」と定められています。
お酒について節度ある飲酒とは何か、飲酒がもたらす健康への影響や、そこから引き起こされるアルコールに関連する社会問題について考え、アルコールによる健康障害を予防し、悲惨な事故・事件をなくしてくために、国民ひとりひとりが出来る事をがん経験者とともに考え提案し、自治体・企業様とのコラボイベントを目指していきます。
「アルコール感受性遺伝子解析検査の保険収載」に向け、国にはたらきかけていきます。
2種類のアルコール感受性遺伝子、ADH1B遺伝子(アルコール脱水素酵素)、ALDH2遺伝子(アルデヒド脱水素酵素)を検査し自身の体質を理解する事は飲酒による健康障害のリスク回避に繋がります。現在自己負担であるこの検査が保険適用になる事により、多くの国民が検査しやすくなるようはたらきかけていきます。