【わたしたちについて】
主に食道がん経験者によるメンバーで発起され、グループを形成いたしました。
「飲酒で顔が赤くなるのってお酒が弱いだけではなく、食道がんのリスクへの警告かも!?」
飲酒マナーや全般的な健康障害への注意喚起はされているが「発がんリスク」については社会への発信が弱いのではないか。
そんな疑問から私たちは行動を起こしました。
【概要】
活動グループ名:飲酒と発がんリスクを考えるグループ(Alcohol&Cancer risk working group)
発足:2021年5月
運営(帰属団体):一般社団法人 食道がんサバイバーズシェアリングス(詳細)
飲酒と発がんリスクを考えるグループ
ワーキングメンバー(五十音順)
◆あきや まちとせ
Chitose Akiyama
2012年6月、慢性骨髄性白血病(CML)と診断され分子標的薬内服で治療。
2014年3月、遺伝子変異T315Iが発覚、造血幹細胞移植をしないと1年生きられないと宣告。しかし移植もせず2017年8月、分子標的薬内服をストップ(断薬)。現在も白血病細胞は微量に検出されるものの無治療にて経過観察中。
(一社)食道がんサバイバーズシェアリングス 参与
◆岡本 記代子
Kiyoko Okamoto
2013年8月:胸部食道がんステージⅣ(T4 N1 MD)、胃がんと診断。
2013年11月手術(右開胸開腹食道亜全摘術。後縦隔経路胃再建術)
現在は、術後から継続する痛み、抗がん剤の副作用による痛み、他様々な痛みの治療を継続中。
2016年4月より、長期療養者の方々(主にがん患者さん)の就労支援のお仕事をさせていただいております。
(一社)食道がんサバイバーズシェアリングス 理事
◆小田垣 宏和
Hirokazu Odagaki
会社員
2018年5月に食道胃接合部がん(ステージⅢ)
化学療法(分子標的薬、シスプラチン)と手術(胃温存回結腸再建術)で治療。術後後遺症として原因不明の嘔気発作がおこし、半年間に6回緊急搬送される。現在経過観察中(治療無し)。
(一社)食道がんサバイバーズシェアリングス 理事
◆今野 浩子
Hiroko Konno
会社員
2013年2月:卵巣がん(ステージⅠ)手術+術後6クールの化学療法
2014年9月:舌がん(ステージⅠ)部分切除のみ
2021年3月:胸部食道がん(リンパ節転移 ステージIV)発覚。3回のFDC 化学療法の後、手術を取りやめ化学放射線療法(2回のシスプラチン+5FUと陽子線)で治療、現在経過観察中。
飲酒と発がんについての知識を持たず、食道がん発症までほぼ毎日飲酒を続けた。
◆髙木 健二郎
Kenjiro Takagi
会社員
2012年3月:胸部食道がんステージⅢ(リンパ節2カ所転移)
お酒の飲めない典型的な赤くなる体質にもかかわらず、大量飲酒と喫煙を28年間継続。2クールの化学療法後に食道亜全摘胃管再建の手術。後に誤嚥性肺炎を乗り越え左反回神経麻痺が残るが再発も無く2021年9月現在に至る。
(一社)食道がんサバイバーズシェアリングス 代表理事
日本食道学会 広報委員、アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
◆中島 啓子
Keiko Nakashima
会社員
40代前半の2012年4月に乳がん(ステージ2a)一年後に食道がんを罹患し、同時期に2つのがん治療を行う。食道がんはEMRで切除。職域グループ内で『がん治療と就労の両立』をテーマにセミナーや研究会を立ち上げ活動中。
医療アドバイザー
◆川田 研郎 先生
Kenro Kawada
1995年 東京医科歯科大学医学部卒業(50歳)
東京医科歯科大学消化管外科 講師 光学医療診療部副部長
「食道癌のブログ」管理人
1995年東京医科歯科大学第一外科に入局,2001年から食道を専門とし内視鏡診断から外科治療,集学的治療,食道癌のことなら何でもオールマイティに活動。2009年からは経鼻内視鏡を用いた頭頸部表在癌の早期診断と治療にも取り組んでいます。
2007年より情報量の少ない食道がん患者のための「食道癌のブログ」を開設。無料相談とともに食道癌の内視鏡検診啓発活動をライフワークとしています。
趣味:落語 美術館巡り
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
医療アドバイザー
◆浜本 康夫 先生
Yasuo Hamamoto
慶應義塾大学医学部 腫瘍センター准教授
1995年札幌医科大学卒業
がん専門の内科医(腫瘍内科医、がん薬物療法専門医)です。現在は幅広く様々な疾患を横断的に担当しております。もともとは消化器内科医としてキャリアをスタートしました。研修医時代に経験した食道がんやスキルス胃がん診療をきっかけにがん治療の世界に飛び込みました。最近のがん研究の進歩と治療成績の向上はめざましく嬉しい悲鳴をあげながら診療を続けております。以前に比べて患者さんとの、お付き合いが、はるかに長ーくなっています!
飲酒は楽しく、美味しく、魅力がありますが、上手に向き合う必要があります。ぜひ一緒に勉強しましょう!
わかりやすい情報提供を心がけており、食がんリングスの立ち上げ前から積極的に企画をサポートしております。
趣味:B級グルメ、読書(書店に行くだけで幸福です)
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
医療アドバイザー
◆横山 顕 先生
Akira Yokoyama
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 臨床研究部長
31年間アルコール依存症の専門病棟の担当医として、患者教育、認知行動療法、断酒会・禁煙・睡眠のプログラムなど総合的な治療に関わっています。食道ヨード染色検診を10000人以上のアルコール依存症患者さんに施行し、300例以上の食道早期がんを診断してきました。1995年に赤くなる体質の人の飲酒が食道がんの原因となることを発見し、アルコール代謝酵素の遺伝子多型の影響についての多臓器にわたる研究を続けています。
趣味:アルコール研究
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
賛同サポーター
(五十音順)
■ 株式会社キュービクス
飲酒と発がんリスクについての研究を支援しています
■ 株式会社クオントディテクト
株式会社クオントディテクトは、進行がん治療とバイオマーカーの研究を行ってきた岩手医科大学医歯薬総合研究所・医療開発部門での研究成果を土台として、独自に確立した「デジタルPCR用プローブライブラリーを用いた腫瘍中変異遺伝子由来血中循環 DNA による腫瘍再発モニタリング」技術を社会に実装するために創立されました。
この技術は、がん細胞由来のゲノム情報を個人に合わせたプローブにより追跡して治療後病変を評価し、今までにない精度でがん治療をナビゲートする新しい概念のゲノム検査です。
株式会社クオントディテクトは、食道がんと向き合う一員として、飲酒と発がんリスクを考えるグループの活動を応援しています。
■濱中 博久 氏
Hirohisa Hamanaka
アナウンサー/ナレーター
2011年食道がん発症 放射線治療。2021年再発 ESD治療。
「飲酒を始めた頃の1~2年間、ビールコップ1杯程度で、すぐ顔が赤くなる体質がありましたか?」
大学生の時、私はまさしくそのとおりでした。その後の社会生活で次第に飲酒の機会、量が増え、タバコも加わりました。教科書どおりの食道がん発症者。
お酒は人生の友です。安くておいしいワインを探すのは楽しかったです。でも私の体質は飲酒が食道がんのリスクになるなんて知りませんでした。若いうちから正しい知識を持ってお酒とつきあう、その大切さを広く知ってもらうための活動を応援します!!
NHKでは、教養・教育番組やジャズ番組などを幅広く担当。数多くのドキュメンタリー番組のナレーター。「きょうの健康」キャスターも長くつとめた。
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
医療アドバイザー
(五十音順)
◆石川 秀樹 先生
Hideki Ishikawa
京都府立医科大学大学院 分子標的予防医学 特任教授
医療法人 いちょう会 石川消化器内科 理事長・院長
有限会社メディカル・リサーチ・サポート 副社長
一般社団法人 日本がん予防学会 理事長
1984年兵庫医科大学卒業
大腸内視鏡検査を専門とする消化器内科医をしながら、大腸がんにならない方法の研究を30年近く続けています。特に、若い時から大腸がんになりやすく、20歳頃に大腸をすべて切除するしか治療法のない遺伝性疾患である家族性大腸腺腫症の患者さんに対して、前がん病変の大腸腺腫を内視鏡で徹底的に摘除しながら手術を避けることを目指す研究を続けています。これまでに小麦フスマ、乳酸菌、緑茶抽出物などによるがん予防臨床試験を行い、乳酸菌を長期間服用することによりがんになりやすいポリープが抑制できることなどを明らかにしてきました。15年ほど前から、痛み止めや抗血小板作用を持つアスピリンに注目して、アスピリンを用いた大腸がん予防のための臨床研究を行っています。近い将来、アスピリンにより大腸がんが激減することを目指しています。
大腸がんを増やす明らかな原因の一つに過度の飲酒があります。飲酒により食道がんになりやすい人と、大腸がんになりやすい人では体質が異なるようです。あまりお酒の強くない人がたくさん飲酒すると食道がんになりやすいですが、お酒を飲める人がたくさん飲酒すると大腸がんになりやすいです。飲酒により大腸がんになる機序は、まだよく分かっていませんので、ぜひとも機序を解明したいと考えています。
趣味:スキューバダイビング、鉄道模型(Nゲージのレイアウト作り)
◆ 岩谷 岳 先生
Takeshi Iwaya
岩手医科大学外科学講座 准教授
1995年 岩手医科大学卒業
消化器外科医として長年がんの臨床、研究に従事しています。特に食道がんについては、家族性食道がんの研究や食道がんとお酒や喫煙などの環境因子と遺伝子異常などについての研究も行ってきました。最近は、食道がん患者さんの血中のがん由来の微量DNAの超高感度測定により治療後ナビゲーションに役立てるシステムを確立しました。
楽しいお酒も体質や量によって食道がんだけでなく多くのがんのリスクにもなります。がん予防のための発がん機序の解明やがんを超早期に発見できる検査法の開発に取り組んでいます。
趣味:映画鑑賞と旅行
◆大橋 真也 先生
Shinya Ohashi
京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センター 特定准教授
京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座
1997年京都大学卒業
私は消化器内科医として、食道がんが発生するメカニズムの解明や、革新的な治療法の開発を目指し、基礎研究、臨床研究、トランスレーショナル研究など多くの医学研究を行ってきました。また内視鏡医として、多くの上部消化管内視鏡検査を通じ、食道がんの早期発見・早期治療に努め、一人でも多くの患者様の健康増進に努めたいと考えています。ALDH2の遺伝子多型とアルコール長期飲酒は、食道がんの最も重要なリスク因子と考えられますので、この病態についてうまく情報発信し、もっともっと多くの人に理解してもらうことが、今後の食道発がん予防を実現する上でとても大切なことだと思っています。
趣味:ジョギング、テニス、ドライブ、サイクリング、映画鑑賞など
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
◆ 堅田 親利 先生
Chikatoshi Katada
北里大学医学部 消化器内科学 講師
1998年 北里大学医学部卒業
2001~2005年 国立がん研究センター東病院
2005年~ 北里大学病院
2018年 米国メイヨークリニック留学
食道癌や咽頭癌に対する内視鏡診断・治療、食道癌に対する薬物療法や化学放射線療法を中心に診療しています。食道癌の発がんメカニズムを研究し、内視鏡機器や薬物療法の開発に従事することにより、効率的な内視鏡検診による早期発見や低侵襲治療の普及をめざしています。昨今の食道癌診療は多様性に富んでおり、患者さんに最適の診療内容を提案する個別化医療の開発にも力を入れています。
趣味:テニス
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会員
◆佐々木 文郷 先生
Fumisato Sasaki
鹿児島大学 消化器内科 講師
2001年佐賀医科大学卒業
芋焼酎の名産地 鹿児島でお酒に関連が深い、咽頭癌・食道癌の早期診療・早期治療を目標に診療しています。食道癌は、予防できる疾患と考えており、近年は食道癌の予防についての研究も取り組んでいます。また、食道癌は再発の多い疾患であり、内視鏡治療後のアルコールを含めた患者さんのサポートも大切な仕事と考えております。
趣味:古いモノ収集、どこまでも散歩する、下手くそなギター
◆宋 龍平 先生
Ryuhei So
2011年 三重大学医学部卒業
独立行政法人岡山県精神科医療センター 臨床研究部
株式会社CureApp メディカル推進部
アルコール依存症を始め様々な依存症の診療、研究に携わっています。食道がんや胃がん、肝臓がんを患ってからアルコール依存症専門外来を受診される方もたくさんいらっしゃいます。そのような方を担当する度に「もっと早期に減酒、断酒に取り組んでいただけたら」と痛感したことをきっかけに、患者さんが内科の先生と取り組める減酒、断酒のための治療用アプリの研究、開発にも携わっています。
趣味:サイクリング、読書
◆滝沢 耕平 先生
Kohei Takizawa
札幌記念塔病院 消化器内科 診療部長
札幌記念塔病院 内視鏡センター センター長
1999年札幌医科大学卒業
主に上部消化管(食道・胃・十二指腸)の内視鏡診断と治療を専門にしています。通常の診療に加えて、より多くの人々が不利益のない確かな検査・治療が受けられるよう臨床研究・臨床試験等も積極的に計画・実施・参加しています。飲酒についてそのメリットとデメリットを知ることは大切なことだと思います。ぜひ正しい知識を習得して、安全に楽しくお酒を飲みましょう。
趣味:スポーツ観戦(サッカー、野球)、スープカレー屋めぐり、キャンプ(焚き火)、燻製作り(最近はじめました)
◆中西 宏佳 先生
Hiroyoshi Nakanishi
2007年 金沢大学医学部医学科卒業
石川県立中央病院 消化器内科 医長
食道がんをはじめ、上部消化管疾患の診断、治療を中心に診療しています。全国の主要施設の診断、治療についての臨床研究にも積極的に参加し、得られた知識を日常臨床に取り入れ活用しています。お酒と関わりの深い肝臓、膵臓などの疾患も担当しており、患者さんとともに、時に厳しく、時に妥協点を探り合いながら、海の幸、そしてお酒の美味しい北陸の地で、お酒と上手に付き合っていける生活習慣を築いていけるように取り組んでいます。
趣味:読書、お笑い鑑賞、節度をもった飲酒
◆ 堀 圭介 先生
Keisuke Hori
2001年広島大学医学部卒業
津山中央病院 内科 部長
津山中央病院 内視鏡センター 副センター長
食道、頭頸部癌をはじめ上、下部部消化管を中心に、内視鏡診断と治療を専門にしています。地域診療の中心として、消化管癌の早期発見と、低侵襲な治療を安心して受けて頂く様日々精進を続けております。診療とともに、全国の主要施設と連携した研究により、お酒を楽しみつつ、発がんリスクの少ない生活、検診の習慣や新しい機器開発に貢献できるように取り組んでおります。
趣味:読書、ドライブ、ランニング、
◆武藤 学 先生
Manabu Muto
京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座 教授
京都大学医学部附属病院 腫瘍内科 科長
同院 クリニカルバイオリソースセンター長
同院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター長
1991年福島県立医科大学卒業
消化器系がんの内視鏡診断・治療から抗癌薬治療、ゲノム医療まで幅広く診療に従事するとともに、これまで発見が困難であった頭頸部および食道の早期がん診断技術(Narrowband imaging)の開発(特殊な光でミリ単位のがんが発見できます!)、食道がんに対する化学放射線療法後の遺残・再発に対する救済光線力学的治療(PDT)の開発(難治がんが90%消失します!)、呼気アセトアルデヒドを用いた食道がんリスク評価機器開発(呼気で体質が分かります!)、遺伝子プロファイルからの化学放射線療法感受性試験の開発(内視鏡生検で化学放射線療法に効くかどうかわかります!)など、食道がんにおける診断から治療まで、医療開発も精力的に行っています。
最近は、アルコールによる発癌を抑制する研究も行っており、まじめに「安心してお酒が飲める社会」を目指しています!
趣味:芸術鑑賞、スポーツ観戦(テレビですが)
日本食道学会 アルコールと食道がんに関する啓発活動部会長
◆横山 顕礼 先生
Akira Yokoyama
京都大学医学部附属病院 腫瘍内科 助教
2004年昭和大学卒業
固形腫瘍の診断から治療、そして、治療後の経過観察も含めて、腫瘍内科医として、がん臨床に従事しています。
今までは、がんになって初めてゲノム異常が生じると考えられてきましたが、最近の研究成果により、加齢や飲酒、喫煙等のリスクの暴露が原因となって正常組織にもゲノム異常が生じることがわかってきました。我々は、加齢とともに、食道や大腸、そして肝臓等の正常組織にどのようにゲノム異常が蓄積するのか、特に、正常食道において、飲酒・喫煙によって、どのようなゲノム異常が生じて、がん化するのか、その一端を明らかにしてきました。今後は、がんの初期のゲノム異常に切り込むことにより、食道がんの起源のゲノム異常を明らかにしたいと考えています。そして、その結果を用いて、食道がんのみならず、頭頚部がん、肝細胞がん、乳がんといったすべての飲酒が関連する発がんを容易に早期発見すること、更には、飲酒リスクの層別化を行う医療機器開発を行いたいと考えています。
趣味;週1~2回程度のランニング、水出し緑茶、楽しい飲み会